雨の季節の思い出の一冊

こんにちは。ブログ担当の岩田です。
まだ5月の末だというのに予想外の暑い日が続いていますが、いかがお過ごしですか。
マイスター®︎の皆さまは、それぞれの活動場所での来月のお話し会に向けて、ちょうどお忙しい時期でしょうか。

程なくしてやってくる雨の季節。ジメジメ、ムシムシと実際の生活ではあまり良いイメージがない”雨”ですが、絵本の世界での雨の楽しさは格別ですね。
そんな雨の季節に、思い出深いエピソードと一冊の絵本を今回は岩田がご紹介させていただきます(^^)


それはかれこれ30年も前‼︎のこと。ちょうどこの季節は、わたしにとって幼稚園への教育実習の季節でもありました。
たまたま6月の父の日の参観日に実習を任されることになったわたしは、担任の先生に相談し、雨の季節ということもあり、ピアノ弾き歌いで、大好きな童謡「あめふりくまのこ」を実習することになりました。

ご存知の方も大勢いらっしゃることと思いますが、この歌は、’お山にすむくまのこの雨の日のようす’が5番までの詩で描かれているものです。
一緒に歌をうたうと言っても、この年齢の子どもたちにとって譜面や文字というものはあまり意味を持ちませんので、子どもたちが初めて聴くこの歌を楽しんでもらうにはどうしたらよいのか・・・。
‘あめのようす’ ‘おやまのようす’ ‘くまのこのようす’ …一つ一つの場面を子どもたちに感じてもらうにはどうしたらいいかと考えました。

そして、くまのこの情景が子どものあたまの中に少しでも思い浮かんでくれたらいいなと思い、詩を元にさまざま画用紙を切り貼りし、5つの場面の紙芝居を作って実習してみることにしました。

当日の様子はもちろんご想像の通りです。大勢の保護者の方々の前で手は震え、ピアノはめちゃくちゃ、声はうわずりさんざんな結果でした。

しかしながら、実習の最終日に全く予想していなかったとても素敵なサプライズが待っていてくれました。担任の先生のご配慮で、「子どもたちがこの歌をとても気に入って、みんなこの歌が大好きなのよ…」と、クラス全員で、この「あめふりくまのこ」を大合唱してくれたのです。

今思えば実習だけでなく、とんでもない出来の紙芝居だったと思います。恥ずかしさのあまり見返すこともなくその紙芝居は幼稚園にそのままもらっていただいてしまったのですが、あの当時、この絵本さえ存在してくれていたら…と心の底から思うのです。


ーーやさしく降る雨の様子、山の風景、雨に濡れる草花の繊細さ、あたまに葉っぱをのせた’くまのこ’の愛らしさ・・・。

そんな思い出と、反省のこもった一冊です。


「あめふりくまのこ」
詩 : 鶴見 正夫 / 絵 : 高見 八重子
ひさかたチャイルド

この絵本を手に取るたびに、「子どものあたまの中に、今、くまのこはいるかな…」と、具体的にイメージすることで、読み聞かせのいちばんの楽しさに立ち返ることができる気がします。
そしてまた、誰かに絵本を読むということを初めて体験した当時の気持ちが、今の自分へとつながっていることをとてもうれしく思います。

〜写真は出版社さまより許可をいただき掲載しています〜
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(記事作成者 : 絵本よみきかせマイスター®︎ I )